医療福祉事例検討会レポート〜高次脳機能障害を持つ事例

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    20171215医療福祉事例検討会レポート

     

     今回は、50歳代で高次脳機能障害を発症し、失語・失行・他動的・他罰的・注意障害・脱抑制症状などの問題行動が現れ始めたケースでした。

     

     仕事中の夫に何度も電話を掛ける、同じ敷地内で別居している義母宅に何度も出入りしたり、早朝3〜4時台に家の中でドタバタし家族を起こす、等で介護家族が疲弊し、ケアマネジャーが家族負担を減らすことを念頭に困難事例として挙げられました。

     

     高次脳機能障害について脳外科医から説明があり、
    ・脳梗塞後遺症とは違う
    ・認知症とは異なり記憶障害があっても感情はそのまま維持される
    (=プライドも強く維持される。この点で関わり方が難しい)
    ・一見、普通に見えることもできていないことがある、
    などを伺いました。

     

     これに基づき、脱抑制症状は該当しないため、前頭側頭葉型認知症(既往歴に左側頭葉皮質下出血もあった)が影響を及ぼしているのではないか?という指摘がありました。


     ここ数回の事例検討会では、診断された病名やその程度が、果たして適当であるのか?という指摘が続いています。
     我々鍼灸マッサージ師も、対応する患者の病名や程度について、適当であるかどうかの冷静な視点を持たないといけないと改めて思いました。

     

     さて、家庭内で家族を疲弊させる大きな要素が、明け方の活動です。
     家族の睡眠時間を大幅に削ることになり、精神的な負担が大きくなっています。
     早朝に起きることについて、病気に起因するものと推測される問題提起がありましたが、そもそもこの方は、病気発症前はファストフード店で朝勤務だったそうで、可能性として出勤前に家事をこなすため、元々起床が早かったかもしれないと指摘がありました。

     

     この症例に限らず、特に認知症の方の言動が、病気によるものか元々の性質によるものか、見極めが難しいケースは多々あります。
     上記のケースであると、そもそも超朝型なライフスタイルであった場合、睡眠薬でどこまで制御できるか?という疑問が生じるようです。

     

     この点でも、我々鍼灸マッサージ師は、患者や家族と接する時間が比較的長いため、多少なりともこの問題に情報提供することができそうです。

     

     また、本人は「眠れていない」という発言をされるそうです。周囲からすれば“寝ている”そうですが、熟睡度に疑問が生じます。

     

     この日の最後の感想発言タイムでも発しましたが、鍼灸マッサージの観点からすれば、頚肩等を緩めることで睡眠を深まり、頚肩のツボは精神安定の作用があるわけです。
     こうしたケースでも鍼灸マッサージや東洋医学の知恵が役立てる場面が大いにあると感じました。

     

    今回のまとめ;
    1、診断名やその程度を確認する視点を持って施術に臨む
    2、診断に繋がる患者情報を蓄えていくという視点が必要
    3、睡眠の質について、東洋医学や鍼灸マッサージからの視点を伝えていきたい

     

     今年は、この事例検討会において、ある困難事例の一症状に対しケアマネジャーの方からマッサージの活用も検討してみたらどうかと言う発言を頂いた場面が数回ありました。昨年からすると、目覚ましい、大きな進歩です。
    (このケアマネジャーに直接関わるマッサージ師の力も大きいでしょう)

     

     また来年も、医療福祉事例検討会において、他職種の方々に鍼灸マッサージや東洋医学的な視点を伝える活動をしていきたいと思います。

    (文責:つくば草の根はりきゅう院 小池栄治)


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