20180817医療福祉事例検討会レポート

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    今回の事例報告は、ケアマネージャーさんでした。

     

    対象者は、70歳代前半の女性で、要支援1。


    同居家族は、70歳代後半で脳梗塞発症後に要介護2となった夫と2人暮らし。
    娘は家族と共に県外在住で、介護には携われない状況。

     

    夫は、ある程度、自身のことはできる様子で、オムツはしていないらしい。介護負担度は強いわけではなく、むしろ日常生活の家事に対し、左手首の疼痛で支障をきたしているようだ。

     

    身体状況は、シェーグレン症候群、骨粗鬆症(比較的軽い刺激でも骨折があり得るほど)、腰椎圧迫骨折による腰痛(時折、痛みがある程度)、左橈骨遠位端骨折(日常生活に支障があるレベル)。

     

    興味深いのが、介護保険によるヘルパーではなく、自費で家政婦を呼んでいる点。保険だと、制限が多くて日々の要望に適わないことが多い上に、限度額を超えてしまうと自費よりも多くなってしまうとのこと。総合的に考えると、自費の方が勝手が良いらしい。
    夫が高収入であったようで、自費でも年金や貯蓄で充分に対応できるようである。

     

    困難事例として提出された課題は、「親族が近くにおらず、長女も遠方で生活しているため、介護協力が得られない。現状では自費ヘルパーを利用しなんとか二人での生活ができているが、療養の場所も含めて今後のサービスをどのように検討して良いか?また、在宅での生活継続する場合、他にどのような支援が必要か?」であった。

     

    本件を鍼灸マッサージ師の視点で捉え直すと、以下が考えられた;
    ・痛みに対して、鍼灸師・マッサージ師であればどのようにアプローチするか?その機序は?等にもっと積極的に情報発信していく必要がありそう。
    ・PT・OTは、痛みよりも転倒による骨折のリスクを優先して考えていた。隣接領域である鍼灸師・マッサージ師としても転倒予防を考えるが、その優先度に違いがあることを改めて印象付けられた。我々は、利用者の将来も含めた暮らし全般を支える視点を、もっと意識的にもたなければいけない。
    ・ケアマネジャーは、担当する利用者の将来的な支出全般についても心配を抱く人がいる(=介護破産、老後破産)、ということを知っておきたい。そこにも、いかに寄り添うことができるか?
    ・訪問先の患家に、必要であれば提供できる有用な情報として、以下が紹介された;
    〜サ高住や小規模多機能での生活では、むしろ現在よりも安く、かつ安心して生活していけるかもしれない、らしい。
    〜緊急時に即対応してくれるサービスとして、ALSOKとセコムがある。遠方の家族に通報してくれると同時に、駆けつけてくれるサービス。


    西日本大水害に思う

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      常総水害の際、避難所では日没以降の鍼灸マッサージ施術が大変喜ばれたことを思い出しました。

       

      泥水だらけになった自宅を清掃するために、日があって活動できる時間帯は、小さな子供・その保護者・身体が不自由な方たち以外は避難所を離れています。

       

      被災者の多くは、慣れぬ肉体労働を明るいうちに行い、仕出しの夕食を食べ、避難所が提供してくれた集団浴場に入り、体育館のような避難所に戻ってきます。

      何をするにしても、普段の日常にはいない大勢の人たちが周囲にいて、テレビを見ることもままならず、寝るまでの間、何もすることがないという人たちばかりでした。

       

      そんな中、体を癒してくれるボランティアは助かる、と大勢に言われました。
      たとえ夜遅くなっても、疲れたまま寝るのは辛い、と言われる言葉に奮起し、避難所を出るのは連日午前様になっていました。
      ※夜遅くまで施術する必要があるとは言いません。ただ、ニーズはこの時間帯に多いということは伝えなければいけないと思いました。

       

      他の医療職諸団体は、公的な派遣であるためか、日中しか避難所に滞在せず、多くの被災者に会う機会が少なかったようです。

       

      夜になり、心身を消耗して戻ってきた被災者の施術をする前に、血圧や体温を測ると、尋常ではない数値が検出されることがありました(241/134という方も!)。

      当人も把握していないことも多くあり、そうした情報を日中に詰めている医師・看護師・栄養士等の諸団体と共有する意義は非常に高かったと思います。

       

      たとえ短い時間であっても、自分のために体を癒そうとしてくれる人の手に触れる機会がある、という環境は、心身両面で助けになるはずです。


      自分が行けないのは歯痒く思います。自分を棚上げして言わせて頂ければ、もしその気がある資格者がいれば、臆せず動いて頂きたいです。

       

      20150914常総水害

      (画像は常総水害の際の避難所の模様。被災後4日目、9月上旬17時頃。)


      20180518医療福祉事例検討会レポート

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         今回発表された事例は、精神症状が強いため、在宅介護が大変になっているものでした。神経学的所見や頭部CT所見に明らかな異常が認められず、認知機能障害も確認できません。結局、統合失調症様障害疑いの診断で薬物療法が開始されたものの、薬剤によるコントロールが難しい状態です。しかし、幻覚・幻聴・妄想症状が強く、特に毎晩の幻聴による妄想の言動で、家族に大きな負担が来ているのでした。

         

         元々の性格は内気で几帳面な方で、普段は良いが、症状が突然現れたかと思うと興奮して怒り散らしたり、暴力的になったりするのだそうです。

         

         ところで、東洋医学は、体内の原因物質の把握や画像診断を必要としません。問診の他、ツボの反応や脉・舌・腹などを診たり触ったりして身体情報を総合することで、東洋医学的な“診断”を定め、具体的な施術内容を決めていきます(※)。(※施術者によって方法論は異なります。)

         

         この事例に対しても、精神症状を落ち着かせる何かしらの施術法を見つけられるだろうと思われます。家庭環境として施術できないようだったこともあり、検討会の場では東洋医学的な考えを披露することに躊躇してしまいました。今の私では東洋医学的な表現でしか伝えきれない内容で、己の不勉強さを悔しく思う、とても残念な事例でした。

         

         つくば市は、国立4年制大学である筑波技術大学があったり、日本伝統鍼灸学会会長が住まう土地です。玉石混交な側面はありますが、東洋医学的な手法や健康観がもっと広まり、こうした西洋医学では不明瞭な状況に対し、選択肢の一つに挙がるようである存在になっていきたいと思わずにはいられません。

         

         


        スポいば会合報告

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          先週金曜夜、スポーツ鍼灸マッサージいばらき(略称:スポいば)の会合に出掛けて参りました。
          茨鍼会会長が会長、県師会会長が副会長兼事務局となり、この2人を中心に、両師会に加え、県視覚障害者協会、技術大といった方々が集まっておられました。

          ぶっちゃけて言えば、この集まりは、これまで県と折衝する上で業団体が一つになっていないことが大きな問題であったことを、国体を機に在り方を模索しようという流れのようです。

          そのため、連携(?)協議そのものが初段であり、国体に向けて具体的な内容は出てこなかったのが実際です。
          施術対象者(選手、競技関係者、観客等)、どの競技に行うか(⇒施術エリア)、等は決まっていません。
          国体は来年に迫っているが、あまり進んでいないのが実態です。

          業団体として県単位で一つにまとまる大きな機会なので、うまく乗り切っていきたいものです。

          アスレチックトレーナーの協会が国体の大きな部分を取り仕切る様相のようで、そこに担当者を派遣することについて話が出ました。国体のどの競技にスポいばが関係することができるのかは、この中での協議に掛かってくるようです。

          障害者国体については県障害福祉課からの依頼があったようで、これは具体的に進みそうな状況のようです。

          会合そのものは穏やかにスムーズに進み、90分で終えました。

          つくば師会が発行してきた新聞を持参し、出席者にお渡ししました。
          情報発信を具体的に実行しているのをご覧頂き、感心されました。

          他の関係諸団体が市町村をまたがっているのに対し、我々はつくば市という特定の市で活動している違いは、大きなものです。
          他でできない具体的な活動をもっとやっていきたいものだと思いました。

          また、スポいばの活動を通して、つくば市内においても鍼灸マッサージや東洋医学についての有用性をアピールする機会を作っていきたいものです。

           

           


          20180118第2回多職種連携のための意見交換会レポート

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             平成29年度、2回目の多職種連携勉強会に行って参りました。

             

             市役所にて18時半から21時近くまで、大勢の参加者がいらっしゃいました。
            前回や昨年と比べると少なめで、名簿記載が145名(スタッフ除く)と、相変わらずの人気を伺えました。ただ実際には、少なくともその4分の1はお休みという状況に、以前を思い起こすと寂しく感じました。インフルエンザが流行っている時期だからでしょうか。でも、100名は越えて大勢でした。

             鍼灸師・マッサージ師は僕を含め3名で、他は訪問医療マッサージを考える会の小堀先生と神林先生でした。

             

             前回と同じく2部構成で、第1部は有識者の講演、第2部は参加者が班に分かれてのグループワークでした。

             

            【第1部】
             筑波メディカルセンター病院緩和医療科医長 萩原信吾医師による「本人・家族と共にみんなで考えるアドバンス・ケア・プランニング」と題する講演でした。
             アドバンス・ケア・プランニング(略称:ACP)とは、「今後の治療・療養について患者・家族と医療従事者があらかじめ話し合う自発的なプロセス」とされているそうです。
              ・患者本人の気掛かりや意向
              ・患者の価値観や目標
              ・病状や予後の理解
              ・治療や療養に関する意向
            なども含み、患者が自分で意思決定ができる状況(病態)の内に関係者間で話し合うことを意図しています。

             

             非医療従事者にとっては、自身や家族の病態や予後について理解するのが困難なケースが多々あります。終末期をいかに過ごしていくか?という課題に直面した時には、既に患者が意思を伝えられない場面が多いそうです。特に、病気の種類によって終末期への経過に違いが大きいため、それを意識して関係する医療介護従事者は事前準備していこうという趣旨だと理解しました。

             

             とは言え、話としては敬遠される傾向の強い内容です。
             我々の仕事は、結果として相手の肌に触れ、言葉を交わします。在宅での施術であれば、週に2〜3度、その機会が得られます。その中でできることとして、頻繁に話し合う機会を持つ立場として、自然にこうした話題ができることもあるでしょう。


             例えば、「お身内やご友人、あるいはテレビなどで、重い病気で危篤になられた方をご覧になった経験はありますか?そのとき、どう感じられましたか?それは何故か教えて頂けますか?」というように、当人に直接的な質問ではなく、間接的な質問の仕方でも可能です。さらに、「ご自分が同じような状態になったらどうしようとお考えになったことはありますか?」などと、より突っ込んで聞いていくことも可能となります。
             この講演は、全体としては既にある程度理解している内容ではありましたが、上記のようなより具体的な表現を教えて頂き、とても参考になりました。

             

            【第2部】
             グループワークで、仮想の困難事例を通して、予め班分けされたグループ内の多職種間で話し合う場が持たれました。

             事例についての詳細は省きますが、多職種で話し合った感想として、終了後に数人と話し合った内容としては、
            ・個々の職種の視点でできることを話し合うことができたのは良いことだが、ともすれば患者不在の仕事目線に留まり、ビジネスライクな印象があった。
            ・患者や家族にとって、いかにより良い環境を作れるか?という熱い話をしたかった。
            ・治療そのものではなく、心身のケアができるようなチーム体制を考えられれば良かった。
            などという感想が挙げられました。
             意外に、毎月開催されている医療福祉事例検討会にて、“患者ファースト”な考え方が身に付いていることが分かって驚いた、という意見もあり、僕自身もそうだなと思いました。


             鍼灸やマッサージの有効性が、馴染みがなく縁遠く感じられていることで知ってもらえる機会が少なくなるのは、大変勿体無いことです。幅広く活用してもらえるようにしていくためにも、今後もこうして多くの方に我々の職種を知って頂く機会を大事にして参りたいと思います。


            20180119医療福祉事例検討会レポート

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               今回は、在宅ではないが、施設入所者の困難事例でした。

               

               80歳代女性。夫と2人の息子(共に既婚)がいる。
               若い頃から双極性障害があり、入退院を繰り返してこられたらしい。夫は行商の仕事で家を空けることがあり、その時に入院が重なった経験等から、子供たちの本人(=母親)に対する愛情は「全くない」。

               

              脳梗塞の既往もある。
               平穏なときもあるが、被害妄想、嫉妬妄想、家族への暴言、作話、徘徊、自傷行為等があり、他者に対して攻撃的になる一面もある。
               会話はでき、一見普通に見えるが、話す内容に整合性がない。

               嫉妬妄想で夫に過剰な暴力を奮ったことをきっかけに、家族間の心情的な繋がりが切れたようで、修復は不可能な状況。
               精神科病院を退院後、グループホームに入所となり、今に至る。

               

               このグループホームは終の棲家として位置づけられていないため、別施設に移動を視野に入れなくてはならないが、在宅復帰は不可能で、今後の住み替えが課題になっている。
               グループホームで看取りを行っている施設はなくはないが、そもそも終身入所が考えられた施設形態ではないそうなので、いつまでどのように引き受けていくかが課題となっている。

               

               本人は、夫や子供たちに愛情を示すが、夫や子供たちには本人とは積極的に距離を取りたがっている。施設としては、本人の希望を叶えてあげたいと考えたが、それはかえって家族の希望とは真逆である。誰に焦点を当てて環境を整えていくか?が立場によって180度変わってしまうという事例であった。

               

               本事例は、双極性障害と脳血管性認知症とが合わさっている病状であるようで、元々の性格と病気による影響とが混在してしまい、周囲(特に家族)が本人の言動が病気によるものである可能性を理解することが困難な状況であった。周囲にとって不快な言動が、病気の影響があったと考えられたならば、人間関係の悪化を少しでも食い止めることができたのではないか?という話も出てきた。

               相手の肌に触れ、言葉を交わす仕事である我々の仕事の中でできることを考えるとしたら、このような点でしょうか。

               肌に触れ、当事者を詳しく知ることができつつ、一般よりも医療情報を多く持つので、病状と性格とを分別して捉えることができる立場です。

               在宅介護の環境は、多職種が関わる医療・介護チームでの活動となります。その中で、鍼灸マッサージ師がいかなる関わり方ができるかを、もっと模索していきたいと思います。
               


              明けましておめでとうございます

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                新年、明けましておめでとうございます。

                 

                昨年は、つくば市役所地域包括支援課主催の在宅医療・介護連携推進事業意見交換会への案内を、実は初めてつくば鍼灸マッサージ師会宛に送って頂きました。

                 

                これまでは、我々鍼灸マッサージ師の団体宛に送られてきたことはなかったので、小さなことと感じられるかもしれませんが、大変嬉しく感じたものでした。

                 

                もちろん、単にスタート地点に立てただけのことなので、これからの活動が大事であることは言うまでもありません。

                 

                今年も、より一層、つくば市において、鍼灸マッサージや東洋医学について、広めていけるよう頑張って参ります。

                 

                ご支援ご鞭撻のほど、お願い申し上げます。

                 

                ミニ門松

                (年末に作ったミニ門松です。)


                地域ケアシステム推進事業上半期報告会レポート

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                  12月15日(金)に行われた地域ケアシステム推進事業上半期報告会を傍聴した際の感想をレポートさせて頂きます。

                  この報告会は、地域別ケア会議を総括する場のようです。

                  地域別ケア会議とは、「高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備とを同時に進めていく、地域包括ケアシステムの実現に向けた手法。((リンク)」

                  平たく言えば、地域包括ケアシステムをいかに確立していくか?という仕組み作りを、各地域において具体的に話し合い、政策レベルで汲み上げていく場と考えられます。

                   

                  資料によれば、圏域別ケア会議での職種別参加状況について、鍼灸師・マッサージ師は皆無です。
                  一方、理学療法士は26名と、1割近くの参加率がありました。


                  PT・OTネットワークの代表者がこの推進事業に参加しており、その方の発言として、病院勤務で地域のことが分からないので、知ってもらう機会としてこの圏域別ケア会議に出席を呼び掛けているそう。それが26名の参加に繋がっているのではないかとのこと。

                   

                  僕はまだ、地域包括ケアシステムが確立している地域の先例を調べていません。したがって、きちんとしたことは言えませんが、上記のような状況では、地域包括ケアシステムは鍼灸マッサージ師の存在は省みられないまま策定されていくことでしょう。

                   

                  実は僕は、これまで医師会主催の医療福祉事例検討会で存在感を示していければ、鍼灸マッサージ師の地域包括ケアシステムへの参入にはある程度なんとかなるのではないかと考えてきました。

                   

                  しかし、上記リンク先のデータ(スライド3ページのみの少ないデータなので是非御参照下さい)を見ると、圏域ケア会議にて検討された内容で策定されていく様子です。
                  事例検討会だけではダメなのかもしれない、と思うようになりました。

                   

                  そうなると、我々鍼灸師・マッサージ師が健康保険上もある程度有効と捉えられている痛みに対する範疇は、整形外科やPT・OT等の一般的にリハ職と言われる職種に委ねられることになるかもしれません。

                   

                  来院であれ在宅であれ、整形外科やリハ職では対応できず、我々鍼灸師・マッサージ師だからこそという場面があります。
                  今のままでは、漂流する患者や家族が出てきかねないのではないか?と思われます。

                   

                  来年は、少しでも圏域ケア会議にも参加できるようにしたいと思いました。

                  そして、少しでもこの地域に鍼灸マッサージや東洋医学の知恵で暮らしを支えられるような環境を作っていきたいと願っています。

                  本年も大変お世話になりました。
                  また来年もどうぞよろしくお願い致します。

                  (文責:つくば草の根はりきゅう院 小池栄治)


                  在宅介護家族交流会にて講義

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                  12月15日(金)、つくば市高齢福祉課からつくば鍼灸マッサージ師会に要請を頂き、在宅介護家族交流事業への協力として、「自宅でできる疲労回復のツボと養生法」と題して、話をして参りました。

                   

                  参加人数は多くありませんでしたが、在宅で家族を介護している方(在宅家族介護者)が束の間の安らぎを求めていらしているのがよく分かり、僕としても大変勉強になりました。

                   

                  患者本人に支援の目が届くのは当然ですが、その介護を行う家族には(疾患等ではなく“単なる疲れ”と捉えられるためか)目が届きずらいものです。行政側でも、そうした家族を注目する部署というのはないとのことです(現在は高齢福祉課)。

                   

                  注目されるようになるのは、その家族も何らかの“病気”になって支援が必要になる時や、疲弊度合がよっぽど厳しくなった時くらい。

                  あるいは、外部から入っているケアマネジャーや訪問看護師などがその大変さに気が付いた時でしょうか。
                  在宅家族介護者はきっと、忍耐強いのでしょうね。周囲に弱音を吐けないのかもしれません。

                   

                  鍼灸師、マッサージ師として活動する方は、数十分単位の比較的長く、施術時間を設けますから、介護する家族の苦悩を聴かれている方は少なくありません。時には、その辛さを労うために、短い時間でもサービスとして肩なり腰なりをマッサージしてあげた、という話を聞くこともあります。

                   

                  医療や介護を受ける中心となる当事者の周囲にいる介護家族にも、きちんと目が向けられる社会になっていって欲しいと思います。

                  つくば師会としても、何かしらサポートしていくことを考えたいものです。

                   

                  一緒に行って頂いたからだ元気治療院厚木美幸先生、ありがとうございました!

                   

                  文責:つくば草の根はりきゅう院 小池栄治

                   


                  医療福祉事例検討会レポート〜高次脳機能障害を持つ事例

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                    20171215医療福祉事例検討会レポート

                     

                     今回は、50歳代で高次脳機能障害を発症し、失語・失行・他動的・他罰的・注意障害・脱抑制症状などの問題行動が現れ始めたケースでした。

                     

                     仕事中の夫に何度も電話を掛ける、同じ敷地内で別居している義母宅に何度も出入りしたり、早朝3〜4時台に家の中でドタバタし家族を起こす、等で介護家族が疲弊し、ケアマネジャーが家族負担を減らすことを念頭に困難事例として挙げられました。

                     

                     高次脳機能障害について脳外科医から説明があり、
                    ・脳梗塞後遺症とは違う
                    ・認知症とは異なり記憶障害があっても感情はそのまま維持される
                    (=プライドも強く維持される。この点で関わり方が難しい)
                    ・一見、普通に見えることもできていないことがある、
                    などを伺いました。

                     

                     これに基づき、脱抑制症状は該当しないため、前頭側頭葉型認知症(既往歴に左側頭葉皮質下出血もあった)が影響を及ぼしているのではないか?という指摘がありました。


                     ここ数回の事例検討会では、診断された病名やその程度が、果たして適当であるのか?という指摘が続いています。
                     我々鍼灸マッサージ師も、対応する患者の病名や程度について、適当であるかどうかの冷静な視点を持たないといけないと改めて思いました。

                     

                     さて、家庭内で家族を疲弊させる大きな要素が、明け方の活動です。
                     家族の睡眠時間を大幅に削ることになり、精神的な負担が大きくなっています。
                     早朝に起きることについて、病気に起因するものと推測される問題提起がありましたが、そもそもこの方は、病気発症前はファストフード店で朝勤務だったそうで、可能性として出勤前に家事をこなすため、元々起床が早かったかもしれないと指摘がありました。

                     

                     この症例に限らず、特に認知症の方の言動が、病気によるものか元々の性質によるものか、見極めが難しいケースは多々あります。
                     上記のケースであると、そもそも超朝型なライフスタイルであった場合、睡眠薬でどこまで制御できるか?という疑問が生じるようです。

                     

                     この点でも、我々鍼灸マッサージ師は、患者や家族と接する時間が比較的長いため、多少なりともこの問題に情報提供することができそうです。

                     

                     また、本人は「眠れていない」という発言をされるそうです。周囲からすれば“寝ている”そうですが、熟睡度に疑問が生じます。

                     

                     この日の最後の感想発言タイムでも発しましたが、鍼灸マッサージの観点からすれば、頚肩等を緩めることで睡眠を深まり、頚肩のツボは精神安定の作用があるわけです。
                     こうしたケースでも鍼灸マッサージや東洋医学の知恵が役立てる場面が大いにあると感じました。

                     

                    今回のまとめ;
                    1、診断名やその程度を確認する視点を持って施術に臨む
                    2、診断に繋がる患者情報を蓄えていくという視点が必要
                    3、睡眠の質について、東洋医学や鍼灸マッサージからの視点を伝えていきたい

                     

                     今年は、この事例検討会において、ある困難事例の一症状に対しケアマネジャーの方からマッサージの活用も検討してみたらどうかと言う発言を頂いた場面が数回ありました。昨年からすると、目覚ましい、大きな進歩です。
                    (このケアマネジャーに直接関わるマッサージ師の力も大きいでしょう)

                     

                     また来年も、医療福祉事例検討会において、他職種の方々に鍼灸マッサージや東洋医学的な視点を伝える活動をしていきたいと思います。

                    (文責:つくば草の根はりきゅう院 小池栄治)


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